俳句には、季節を表す言葉「季語」を入れるという約束があります。中学受験では「この季語の季節は?」「次のうち夏の季語はどれ?」といった問題がよく出ます。この記事では、春・夏・秋・冬・新年に分けて、頻出の季語を意味や分類つきの一覧にまとめました。特に季節をまちがえやすい季語は別表で強調しています。
季語とは、俳句の中で季節を表すために使う言葉です。「桜」「蛍」「紅葉」「雪」のように、その言葉を見ただけで季節が思いうかぶものが季語になります。俳句では原則として一句に一つ季語を入れます。
大事な注意:季語の季節は「旧暦(昔のこよみ)」が基準です。そのため、いまの体感の季節と季語の季節がずれているものがあります。たとえば「七夕」や「朝顔」は、いまの感覚では夏のようですが、季語としては秋です。「五月雨(さみだれ)」も、いまの五月ではなく旧暦五月=つゆの時期を指すので夏になります。理由ごと覚えると間違えません。
春はおよそ、立春(二月初め)から立夏の前日までを指します。
| 季語 | 分類 | 意味・ポイント |
|---|---|---|
| 立春 | 時候 | こよみのうえで春が始まる日。まだ寒くても季語は春。 |
| 余寒(よかん) | 時候 | 立春をすぎても残る寒さ。「寒い」が春の季語になる例。 |
| 朧(おぼろ)・朧月 | 天文 | 春の夜の、かすんでぼんやり見える月。 |
| 春雨(はるさめ) | 天文 | 春に静かに降る細かい雨。 |
| 雪解け(ゆきどけ) | 地理 | 積もった雪がとけること。春の訪れを表す。 |
| 桜・花 | 植物 | 俳句で「花」といえばふつう桜のこと。 |
| 菜の花 | 植物 | 黄色い花畑が春の風景の代表。 |
| 蛙(かわず) | 動物 | 春になって鳴き始めるかえる。 |
| 鶯(うぐいす) | 動物 | 「春告げ鳥」とも呼ばれる。 |
| 蝶(ちょう) | 動物 | 春に多く見られるちょう。 |
| 雛祭り(ひなまつり) | 行事 | 三月三日の女の子の節句。 |
| 卒業 | 行事 | 学校の卒業の時期から春の季語。 |
夏はおよそ、立夏(五月初め)から立秋の前日までを指します。つゆ(梅雨)の時期も季語のうえでは夏です。
| 季語 | 分類 | 意味・ポイント |
|---|---|---|
| 立夏 | 時候 | こよみのうえで夏が始まる日。 |
| 梅雨(つゆ) | 天文 | 六月ごろの長雨の時期。夏の季語。 |
| 五月雨(さみだれ) | 天文 | 旧暦五月=つゆの長雨のこと。だから夏。 |
| 夕立(ゆうだち) | 天文 | 夏の午後に急に降るはげしい雨。 |
| 雷(かみなり) | 天文 | 夏に多い、雷雨。 |
| 新緑・若葉 | 植物 | 初夏のみずみずしい緑の葉。 |
| 蛍(ほたる) | 動物 | 初夏の夜に光る虫。 |
| 蝉(せみ) | 動物 | 夏に鳴く虫の代表。 |
| 金魚 | 動物 | 夏の風物として季語になる。 |
| 向日葵(ひまわり) | 植物 | 夏に大きく咲く花。 |
| すいか | 植物 | 夏の食べ物の代表。 |
| 花火 | 行事 | 夏の夜の風物詩。 |
秋はおよそ、立秋(八月初め)から立冬の前日までを指します。まだ暑い八月でも、立秋をすぎれば季語のうえでは秋です。
| 季語 | 分類 | 意味・ポイント |
|---|---|---|
| 立秋 | 時候 | こよみのうえで秋が始まる日。 |
| 残暑(ざんしょ) | 時候 | 立秋をすぎても残る暑さ。だから秋の季語。 |
| 天の川 | 天文 | よく晴れる秋の夜空に美しく見えるため秋。 |
| 名月・月 | 天文 | 俳句で「月」といえばふつう秋の月(中秋の名月)。 |
| 紅葉(もみじ) | 植物 | 木の葉が赤や黄に色づくこと。 |
| 朝顔(あさがお) | 植物 | 夏に咲くようでも、季語としては秋。 |
| 菊(きく) | 植物 | 秋に咲く代表的な花。 |
| 柿(かき) | 植物 | 秋に実る果物。 |
| 稲・稲刈り | 植物・生活 | 秋の実りと収穫。 |
| 蜻蛉(とんぼ) | 動物 | 秋の空に多く飛ぶ。 |
| 鈴虫・こおろぎ | 動物 | 秋に鳴く虫。 |
| 七夕(たなばた) | 行事 | もとは旧暦七月七日の行事なので秋の季語。 |
冬はおよそ、立冬(十一月初め)から立春の前日までを指します。
| 季語 | 分類 | 意味・ポイント |
|---|---|---|
| 立冬 | 時候 | こよみのうえで冬が始まる日。 |
| 大寒(だいかん) | 時候 | 一年でもっとも寒いとされる時期。 |
| 小春日和(こはるびより) | 時候 | 初冬の、春のようにあたたかくおだやかな日。「春」の字でも冬。 |
| 木枯らし(こがらし) | 天文 | 晩秋から初冬に吹く冷たい強い風。冬の季語。 |
| 雪(ゆき) | 天文 | 冬を代表する季語。 |
| 霜(しも) | 天文 | 寒い朝に地面などにつく氷の結晶。 |
| 氷(こおり)・つらら | 地理 | 水がこおったもの。 |
| 枯れ野・枯れ葉 | 植物 | 草木が枯れた冬の景色。 |
| 水仙(すいせん) | 植物 | 冬に咲く花。 |
| みかん | 植物 | 冬の食べ物の代表。 |
| 白鳥・鴨(かも) | 動物 | 冬に来る渡り鳥。 |
| 大晦日(おおみそか) | 行事 | 一年の最後の日、十二月三十一日。 |
俳句では、お正月に関する言葉を「新年」という独立した季節としてあつかいます。春・夏・秋・冬とは別のグループです。
| 季語 | 分類 | 意味・ポイント |
|---|---|---|
| 正月(しょうがつ) | 時候 | 新しい年の初め。 |
| 元日・元旦 | 時候 | 一月一日。元旦はその朝のこと。 |
| 初日の出 | 天文 | 元日の朝の日の出。 |
| 初詣(はつもうで) | 行事 | 年が明けて初めて神社やお寺にお参りすること。 |
| 門松(かどまつ) | 生活 | 正月にかざる松のかざり。 |
| お年玉 | 生活 | 正月に子どもにあげるお金。 |
| 雑煮(ぞうに) | 生活 | 正月に食べるおもちの汁物。 |
| 書き初め | 行事 | 新年に初めて筆で字を書くこと。 |
| 七草(ななくさ) | 行事 | 一月七日に七草がゆを食べる行事。 |
テストでねらわれやすいのは、「いまの感覚」と「季語の季節」がずれるものです。次の表を重点的に覚えましょう。
| 季語 | 正しい季節 | まちがえやすい理由・覚え方 |
|---|---|---|
| 七夕 | 秋 | もとは旧暦七月七日の行事だから秋。今の七月と思うと夏とまちがえる。 |
| 朝顔 | 秋 | 夏休みに咲くイメージでも、季語としては秋。 |
| 天の川 | 秋 | 七夕とセットで秋。秋のよく晴れた夜空に映える。 |
| 五月雨(さみだれ) | 夏 | 旧暦五月=つゆの長雨のこと。「五月」の字に引きずられない。 |
| 梅雨(つゆ) | 夏 | 六月の長雨は季語のうえでは夏。 |
| 立春・余寒 | 春 | まだ寒くても、立春をすぎれば季語は春。 |
| 残暑 | 秋 | 暑くても、立秋をすぎれば季語は秋。 |
| 小春日和 | 冬 | 「春」の字が入るが、初冬のあたたかい日のこと。 |
| 木枯らし | 冬 | 晩秋〜初冬に吹くが、ふつう冬の季語とする。 |
| 月(名月) | 秋 | 俳句で「月」だけなら、ふつう秋の月を指す。 |
| 花 | 春 | 俳句で「花」だけなら、ふつう桜=春を指す。 |
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